_trip 高雄/過去最悪のピンチ、旅の始まり('16年4月台湾旅)
2016年4月20日(三)
この時期恒例の台湾旅、今回の行き先は南部だけ。
ピーチの高雄便は11:05発、13:05着予定。
今日は高雄から恒春まで一気に向かう。
屏東での拠点を恒春に置いていて
今日から2日間滞在することにしている。
この日のピーチは搭乗までは時間通りだったのに
離陸が遅れに遅れて高雄に着陸したのは13:50だった。
高雄は桃園に比べれば小さい空港だろうから
入国審査に時間がかかるかもしれない。
前方の席だったゆえ、急いで機内脱出。
ちょうど大陸からの飛行機も到着したばかりのようで
大陸人用の薄紫色の入境証を手にした
おっちゃんおばちゃんで長蛇の列ができていた。
大陸からの団体のお客さんは
みんなお揃いのなにかを身につけているのが“あるある”だが
今日イチで目を引いたのはオレンジ色の帽子チーム。
30人ぐらい全く同じ蛍光オレンジの、
頭を覆いきれないぐらいのちょい小さめな帽子をかぶって
整列している様がとってもかわいい。
私はすぐ後ろに並んでいた別のおばちゃんに
軟骨にあけているピアスを延々といじられながら自分の番を待つ。
「痛くないの?」「寝るときはどうしているの?」
いろいろ話しかけてくれるんだけれども
なかなか早口の中国語(訛りもあり)で聞き取れずあたふた。
私の手に「日本国」と書かれたパスポートを持っているなんて
おばちゃん、全く見ちゃいねえ。
そもそも狭い入国審査場、混雑して見えて10分ほどで自分の番に。
今回も無事、入国完了。
カルーセルでスーツケース(なぜかびっしょびしょ)を受け取って
墾丁方面行きのバスが出ている左營に行くため、MRT駅へ急いだ。
意外にも高雄のMRTは台北のMRTのカードが使えない。
(2016年7月から共用開始。)
今回のためだけにカードを買うのもなあと思い
トークンでやり過ごすことにした。
高雄國際機場から左營までは50元、約28分。
バスに乗る前にやるべきこと、
Wifiのルーターの受け取り。
台湾旅はいつもノールーターで乗り切っているけれど
今回は道すがら調べ物をすることが多そう&
田舎なのでフリー電波がそんなに飛んでなさそうなので
ivideoの格安wifiを使うことにした。
日本で事前に予約をしていたものを現地でゲットする仕組み。
高雄空港の近くに受け取りができるコンビニがあるのだけど
利用経験のある人のブログをいくつか拝読するに
どうにも地味に遠そう。
なので、左營のバスターミナルから便利そうなコンビニを
引き取り店として選択しておいた。
(返却は最後に荷物を取りに戻るがてら行きやすそうな、
高雄の宿から近いコンビニを選択。)
きちんと予約ができているのか、心配ではあったけれど
プリントアウトしておいた地図のところのセブンイレブンに行き、
レジで予約票を見せたら、ばっちり受け取り完了。
すごい、私。
やればできるやん、私。
台湾旅にどんどん慣れてきて
いろんなことができるようになったことにテンションが上がる。
この直後に私の人生(いや、本当に人生レベルで)最悪の事態に
見舞われることも知らずにね。
せっかくセブンイレブンに来たので
まだこんな早くに全然買わなくていいものだけど
会社の先輩に頼まれていたコンビニ菓子、
そして旅日記用のセロハンテープ(愛用の細めマステ忘れた)、
スティックのり、水などを購入。
財布を見た時点で、お金を下ろさなきゃと思い出し
(ここまでは前回の旅の少しの残金を使っていた)
あぶない、うっかりお金を持たずに行くところだったわと
いそいそとコンビニ内のATMへ。
そこではじめて、気づいてしまった。
すべての旅の資金を入れていた
国際キャッシュカード(VISAデビットカード)を
忘れてきたことを。
やばい。
どうしよう。
旅の初日に。
お金がない。
その、肝心要の、お金が、ない。
ほんまにピンチの時、
人はものすごく冷静になるのかもしれない。
ATMの前に立ち尽しながら
頭の中をいろんな思考が駆け巡る。
あ、みぬえ!!!
みぬえに借りるか。
や、でも、せめてキャッシュカードがあれば
日本からでも振り込みしてもらって
こちらでおろす、ができるけど、
カードがなくちゃ送金してもらえる手段がない。
台北にいる友達に借りようか。
でもそれでもどうやってお金を送ってもらう?
書き留め? それでも何日で届く?
しかも7日間もの旅の資金、結構大金よ。
そもそも貸してくれるんか、こんなやつに。
あー、どうしようか。
とりあえず財布には、関空で支払う予定だったけど
支払い忘れた携帯料金12,000円が現金である。
あと、前回の旅で残ったお金が500元ぐらい。
バス代は往復400元ぐらい。
あとは宿代まで足りるかな。
いや、足りるはず。
ドミトリーの、かなり安いところを予約したはず。
レンタルバイクは最悪無理かもしれないけど
とりあえず3日後の、えとさんとの合流まではもつはず。
あ、えとさん!!
今回の旅は途中からえとさんと合流するんだ!!
えとさんは東京在住の友人で、
今回、3日目に移動する台南から合流することになっている。
もっぱら一人旅な私には珍しい、同行者だ。
えとさんにお金を持ってきてもらう、
これしかない…。
えとさんに早速電話…。出ない。
腕時計を見たら時間は3時を回っていた。
やばい、当面の大事な資金である
この日本円をとにかく台湾元に替えなければ。
コンビニの東向かいにあった三信商業銀行に飛び込み
カウンターにいたお姉さんに両替してほしいとお願い。
おねえさんは困惑しながら
「3時を過ぎたから証明証が発行できないの」。
なぬ!? それでもいい、それでもいい、
財布を忘れてお金がない、
墾丁に行くお金がないの、と懇願。
「証明書がなくてもいいなら」と快く両替をしてくれた。
ぎゃーーーー、ありがとうございます!!!
日本じゃこうはいかない。
即行でNGくらって、ぶぶー、だ。
この台湾の(否、日本以外の国の)フレキシブルさに
私はいつも助けられている。
手元にやってきたのは現金3,495元。
ここから宿代を引いてどれくらい残るか。
足りはするはず。足りは。
最悪ほとんどなくなっても、
お金のかからない過ごし方をすればいいんだ。
現金を手にしたところで
もう焦っても仕方ないので一旦腹ごしらえ。
コンビニの南向かいにあった食堂へ。
銀行サイドから撮っております。
雞肉飯とゆで空芯菜で満腹。
これ、届いたiVideo。
とりあえずこれの設定もしておかなければ。
袋を開封して、ルーターの電源をオン、で、もう使えるはずなのに
全然電波を拾わない。通じない。つながらない。
なんじゃこりゃ!!!!
お金がない上にwifiも使えない。
どんな罰ゲームやねん!!!
バスのチケット売り場前のベンチで
半泣きでwifiルーターをいじいじしていたところ、
えとさんから折り返しの連絡が。
かくかくしかじか、事情を伝えたら
お金を、貸して、くださることに、
なりましたーーーーーーーー!!!! 万歳万歳!!!
神様えと様仏様!!!! ありがとうございます(泣)!!!!
良かった…本当に良かった…なんとか生き延びた…。
いつものような一人旅だったら
どうなっていたのだろう。
友達がいる台北ならいざ知らず、
知り合い皆無の高雄〜屏東で私、どうなってたんだ。
考えたくもない。
これは、旅に慣れてきた私に神様仏様が
「あかんで」と試練を与えたに違いない。
調子に乗って今後さらなる大危機に見舞われないように
旅の同行者がいる、というこのタイミングで一回、
「旅においては出発前から気を引き締めなあかん」と、
灸をすえてくれた、そうことだなきっと。
ピンチもピンチ、
私の人生史上上位レベルのピンチだったけど、
財神えとさんのおかげで、クリアすることができた。
とりあえずえとさんと合流するまでの2日半、
今あるお金で乗り切ってみせますとも。
3日後にやってくる、えと神様の御姿。尊い。ありがとうございます。
次の墾丁行きのバス「墾丁快線」は16時発。
往復チケットは389元。足りる足りる。
ささ、恒春へ向かうで。
現地に着いたら今度はルーターをどうにかせねば。
つづく
この時期恒例の台湾旅、今回の行き先は南部だけ。
ピーチの高雄便は11:05発、13:05着予定。
今日は高雄から恒春まで一気に向かう。
屏東での拠点を恒春に置いていて
今日から2日間滞在することにしている。
この日のピーチは搭乗までは時間通りだったのに
離陸が遅れに遅れて高雄に着陸したのは13:50だった。
高雄は桃園に比べれば小さい空港だろうから
入国審査に時間がかかるかもしれない。
前方の席だったゆえ、急いで機内脱出。
ちょうど大陸からの飛行機も到着したばかりのようで
大陸人用の薄紫色の入境証を手にした
おっちゃんおばちゃんで長蛇の列ができていた。
大陸からの団体のお客さんは
みんなお揃いのなにかを身につけているのが“あるある”だが
今日イチで目を引いたのはオレンジ色の帽子チーム。
30人ぐらい全く同じ蛍光オレンジの、
頭を覆いきれないぐらいのちょい小さめな帽子をかぶって
整列している様がとってもかわいい。
私はすぐ後ろに並んでいた別のおばちゃんに
軟骨にあけているピアスを延々といじられながら自分の番を待つ。
「痛くないの?」「寝るときはどうしているの?」
いろいろ話しかけてくれるんだけれども
なかなか早口の中国語(訛りもあり)で聞き取れずあたふた。
私の手に「日本国」と書かれたパスポートを持っているなんて
おばちゃん、全く見ちゃいねえ。
そもそも狭い入国審査場、混雑して見えて10分ほどで自分の番に。
今回も無事、入国完了。
カルーセルでスーツケース(なぜかびっしょびしょ)を受け取って
墾丁方面行きのバスが出ている左營に行くため、MRT駅へ急いだ。
意外にも高雄のMRTは台北のMRTのカードが使えない。
(2016年7月から共用開始。)
今回のためだけにカードを買うのもなあと思い
トークンでやり過ごすことにした。
高雄國際機場から左營までは50元、約28分。
バスに乗る前にやるべきこと、
Wifiのルーターの受け取り。
台湾旅はいつもノールーターで乗り切っているけれど
今回は道すがら調べ物をすることが多そう&
田舎なのでフリー電波がそんなに飛んでなさそうなので
ivideoの格安wifiを使うことにした。
日本で事前に予約をしていたものを現地でゲットする仕組み。
高雄空港の近くに受け取りができるコンビニがあるのだけど
利用経験のある人のブログをいくつか拝読するに
どうにも地味に遠そう。
なので、左營のバスターミナルから便利そうなコンビニを
引き取り店として選択しておいた。
(返却は最後に荷物を取りに戻るがてら行きやすそうな、
高雄の宿から近いコンビニを選択。)
きちんと予約ができているのか、心配ではあったけれど
プリントアウトしておいた地図のところのセブンイレブンに行き、
レジで予約票を見せたら、ばっちり受け取り完了。
すごい、私。
やればできるやん、私。
台湾旅にどんどん慣れてきて
いろんなことができるようになったことにテンションが上がる。
この直後に私の人生(いや、本当に人生レベルで)最悪の事態に
見舞われることも知らずにね。
せっかくセブンイレブンに来たので
まだこんな早くに全然買わなくていいものだけど
会社の先輩に頼まれていたコンビニ菓子、
そして旅日記用のセロハンテープ(愛用の細めマステ忘れた)、
スティックのり、水などを購入。
財布を見た時点で、お金を下ろさなきゃと思い出し
(ここまでは前回の旅の少しの残金を使っていた)
あぶない、うっかりお金を持たずに行くところだったわと
いそいそとコンビニ内のATMへ。
そこではじめて、気づいてしまった。
すべての旅の資金を入れていた
国際キャッシュカード(VISAデビットカード)を
忘れてきたことを。
やばい。
どうしよう。
旅の初日に。
お金がない。
海外旅行に行くときはぎりぎりまで仕事が忙しく
いつもバタバタで準備不足のことが多く、
呪文のように
「とりあえずパスポートとお金さえあれば大丈夫」
と言いながら出発するわけだけれども、その、肝心要の、お金が、ない。
ほんまにピンチの時、
人はものすごく冷静になるのかもしれない。
ATMの前に立ち尽しながら
頭の中をいろんな思考が駆け巡る。
あ、みぬえ!!!
みぬえに借りるか。
や、でも、せめてキャッシュカードがあれば
日本からでも振り込みしてもらって
こちらでおろす、ができるけど、
カードがなくちゃ送金してもらえる手段がない。
台北にいる友達に借りようか。
でもそれでもどうやってお金を送ってもらう?
書き留め? それでも何日で届く?
しかも7日間もの旅の資金、結構大金よ。
そもそも貸してくれるんか、こんなやつに。
あー、どうしようか。
とりあえず財布には、関空で支払う予定だったけど
支払い忘れた携帯料金12,000円が現金である。
あと、前回の旅で残ったお金が500元ぐらい。
バス代は往復400元ぐらい。
あとは宿代まで足りるかな。
いや、足りるはず。
ドミトリーの、かなり安いところを予約したはず。
レンタルバイクは最悪無理かもしれないけど
とりあえず3日後の、えとさんとの合流まではもつはず。
あ、えとさん!!
今回の旅は途中からえとさんと合流するんだ!!
えとさんは東京在住の友人で、
今回、3日目に移動する台南から合流することになっている。
もっぱら一人旅な私には珍しい、同行者だ。
えとさんにお金を持ってきてもらう、
これしかない…。
えとさんに早速電話…。出ない。
腕時計を見たら時間は3時を回っていた。
やばい、当面の大事な資金である
この日本円をとにかく台湾元に替えなければ。
コンビニの東向かいにあった三信商業銀行に飛び込み
カウンターにいたお姉さんに両替してほしいとお願い。
おねえさんは困惑しながら
「3時を過ぎたから証明証が発行できないの」。
なぬ!? それでもいい、それでもいい、
財布を忘れてお金がない、
墾丁に行くお金がないの、と懇願。
「証明書がなくてもいいなら」と快く両替をしてくれた。
ぎゃーーーー、ありがとうございます!!!
日本じゃこうはいかない。
即行でNGくらって、ぶぶー、だ。
この台湾の(否、日本以外の国の)フレキシブルさに
私はいつも助けられている。
手元にやってきたのは現金3,495元。
ここから宿代を引いてどれくらい残るか。
足りはするはず。足りは。
最悪ほとんどなくなっても、
お金のかからない過ごし方をすればいいんだ。
現金を手にしたところで
もう焦っても仕方ないので一旦腹ごしらえ。
コンビニの南向かいにあった食堂へ。
銀行サイドから撮っております。
雞肉飯とゆで空芯菜で満腹。
これ、届いたiVideo。
とりあえずこれの設定もしておかなければ。
袋を開封して、ルーターの電源をオン、で、もう使えるはずなのに
全然電波を拾わない。通じない。つながらない。
なんじゃこりゃ!!!!
お金がない上にwifiも使えない。
どんな罰ゲームやねん!!!
バスのチケット売り場前のベンチで
半泣きでwifiルーターをいじいじしていたところ、
えとさんから折り返しの連絡が。
かくかくしかじか、事情を伝えたら
お金を、貸して、くださることに、
なりましたーーーーーーーー!!!! 万歳万歳!!!
神様えと様仏様!!!! ありがとうございます(泣)!!!!
良かった…本当に良かった…なんとか生き延びた…。
いつものような一人旅だったら
どうなっていたのだろう。
友達がいる台北ならいざ知らず、
知り合い皆無の高雄〜屏東で私、どうなってたんだ。
考えたくもない。
これは、旅に慣れてきた私に神様仏様が
「あかんで」と試練を与えたに違いない。
調子に乗って今後さらなる大危機に見舞われないように
旅の同行者がいる、というこのタイミングで一回、
「旅においては出発前から気を引き締めなあかん」と、
灸をすえてくれた、そうことだなきっと。
ピンチもピンチ、
私の人生史上上位レベルのピンチだったけど、
財神えとさんのおかげで、クリアすることができた。
とりあえずえとさんと合流するまでの2日半、
今あるお金で乗り切ってみせますとも。
3日後にやってくる、えと神様の御姿。尊い。ありがとうございます。
次の墾丁行きのバス「墾丁快線」は16時発。
往復チケットは389元。足りる足りる。
ささ、恒春へ向かうで。
現地に着いたら今度はルーターをどうにかせねば。
つづく
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