_trip 阿里山/夕暮れ森林浴('15年5月台湾旅)

5月18日(一)

ホテルに重たいリュックサックを置いて
再びホテルエリアから階段を上がってすぐ、
ビジターセンター前にある
国家森林遊楽区行きのバスのりばへ。
チケット売り場で往復切符80元を購入した。



そのバスに乗ればビジターセンターから沼平駅という
阿里山森林鉄道駅あたりまで連れて行ってくれる。
時間的には5分ぐらいなので
おそらくビジターセンターから歩けない距離ではない。
でも時はすでに15時すぎ。タイムロスは避けたいもんね。

バスを降りたはいいけど、
配布されてたガイドマップが曖昧すぎて
どっちに進めば良いのかさっぱりわからん。
ホテルの行き方を教えてくれたおっちゃんに
もらったもので、それぞれのスポットへの
だいたいの所要時間や行き方などを
ペンで書いて示してくれてるのはありがたいのだけど
そもそもその道がどれのことなのかがわからんのだ。
ああ!!



とりあえずこの熊が指し示す方に行ってみよう。



これはなんの鉄道の線路なんかしら。
のんきに渡っていたら踏切がカンカン鳴りだした。



来た来た、阿里山森林鉄道。
これは日の出を観に行くときに乗る路線とは違う、
神木線の列車。神木駅という駅が
これから行く遊楽区の奥の方にあり
そこの最終電車が16時だから間に合えば
それに乗って帰ってくればいいよーと
件のおっちゃんは教えてくれたけれど
そこまで行くのに1時間は余裕でかかりそうだし
絶対間に合うわけない。こりゃ行きも帰りも歩きだね。



踏切を越えて熊が指し示す方に行くと
展望路になっていた。
空気がとても心地よい。
夕方が近づいてきてうっすら涼しくなってきて
山の下の炎天下が嘘のよう。
だけどこの道をどんどん進んでも
思っていた感じの風景は現れない。
なんならちょっと来た道を戻ってる感じ?



途中で見切りを付けて来た道を逆戻り。
先ほどの踏切の所まで戻ったら今度は
そのまま線路に沿うように奥へ奥へと進んでみた。
木に囲まれてうっそうとした、まさに「森林」。



木のアーチがお出迎え。
あー、なんか来たっぽい、ここで合ってるっぽい。
この辺一帯に生えているのはタイワンヒノキ。
日本なら森がしっかり守られた奈良・十津川あたりの
神社の参道でしか見られないぐらいの大木が
あちらこちらに立っている。



まるで参道。

切り倒されて大きな株だけが残っているものもあり、
それは日本統治時代に木材として伐採されたものらしい。





沼…?
否、湖。
妹潭、姐潭の2つの湖を合わせて
姊妹潭(ジエメイタン)と呼ぶようだ。
こちらはたぶん、妹の方。
深いのか浅いのか、きれいなのか汚いのか。
底が全然見えないから計り知れない。
そんでもってちょっと怖い。
でも底が見えない代わりに、
湖面に湖畔の景色がそのまま映ってきれい。
早朝は風がなく映し鏡のようでいとをかし、らしいけど
夕方の今も人がまばらで空気もしんと静まりかえって
十分にいとをかしだった。





こっちがお姉ちゃんの方。かな。



金豬報喜。
繁栄と財運を象徴するブタの形。
(左がブタっぽい鼻をした顔に見える。)
なんかわからんけど拝んどこう。





感動のため息が漏れるほど大木巨木奇木のオンパレード。
じっと見ているだけで力もらえる感じがするのは
私がむだに感受性が強すぎるからでしょうか。
もしくは「影響されやすい単純人間」だからでしょうか。
きっと後者ね。
でも木そのものだけじゃなく、そこに蒸している苔とか草とか
そういうものすべての「生きてます」感がすごいのだよね。
ド田舎生まれのド田舎育ちだけれど
こんな風景はそうそう出合えるもんじゃない。



とんと人通りが少ない時間だったんだけれども
ちんたら歩いてやって来たカップルに撮影してもらった一枚。
「邪魔すんなよ」という感じで
すっごい面倒臭っているのが「彼女」の表情から
ありありと伝わってきたけどもはやスルースルー。
写真撮ってくれてありがとうね、「彼氏」くん。
ちなみにここ、幹の形がハートに見えるからカップルに
人気の撮影スポットらしく。あやかりたいあやかりたい。





草原、タイワンヒノキの林、群生するカラー(海芋)、
いろんな表情を見せてくれて、
私、思いのほか楽しんでるわ、阿里山。



30〜40分ほど歩いたら
受鎮宮という大きなお寺にたどり着いた。
帰りのバスはここから乗れるよと
おっちゃんが教えてくれていたところ。
お寺前には土産物店やちいさな小吃店が軒を連ねていた。

でも土産物を冷やかしている時間はないよ、
そのまま遊歩道を進めや進め。





山の中とは言え遊歩道がきちんと整備されているので
トレッキングシューズがなくてもスニーカーで余裕。
だからヒールあるような靴でもきっと歩けると思うけれど
阿里山来るのにその靴のチョイス!? な友だちになれないね。



香林国民小學校。
台湾で最も標高が高い場所にある小学校とのこと。
関係者以外立ち入り禁止ゆえ中には入れないけれども、
外壁の上に咲くカラーのきれいなことよ。








立ち入り禁止とか触るなとか
表示はないものの、
なんか勝手に自粛してしまう日本人こと
私なのだけれども、
やっていいんかな、枝の上に乗るとか。
やっていいんだったらやりたい、
でも本当はダメだったらあかんからやめとく。
好奇心とモラルとの狭間で揺れ動く我がチキンハート。
おっちゃん、楽しそうだったなあ。










樹齢数千年レベルの巨木が林立する中、
特に古いタイワンヒノキ、
香林神木(シァンリンシェンムー)。
樹齢2300年ってもう想像もできないけれど
とにかく見たことのない太く立派な幹と、
天に向かって大きく伸ばした枝。
見上げる私は口がぽかんと空きっぱなしだったと思う。
周囲には板張りがされていて
この木が「特別」であることが分かる。
そこに座ってただただ木を眺めていた。
飽きることがなく離れ難しとはまさにこれだな。






神木の近くにある慈運禅寺。
尼寺なのかしら、尼僧さんしか見かけなかった。
小さいけれどきれいに整えられたお寺。





やっと神木駅に到着。







まだ神木線が動いている時間なら
帰りはここから列車に乗って阿里山駅に戻れるけれど
もうとっくに16時の終電は終わっているので
来た道を戻るのみ。全然いいよ。森林浴はまだまだ続く。



まるでもののけ姫の世界。

受鎮宮まで戻ったら
そこからは阿里山駅方面に戻るバスに乗る。
もう日も暮れかけの時間ゆえか乗客は私一人。
バスには爆音で台湾POPが流れていて
なんか聴いたことあるイントロだと思ったら
五月天(MAYDAY)だった。
しかもDo You Ever Shine? の日本語版。
なんで阿里山の山の中で日本語聴いてるんだ。
しかも敢えて五月天の日本語の曲を。
リアルにiPhoneに入っててよく聴いてるから
思わず一緒に歌てしもたやないかい。




阿里山駅までたどり着いたところで
明日の祝山線の切符を買いに行きましょうかね。
平日だし、きっと買えるよね…買えますように。

って…





OMG!!!!!!!
切符売り場すでに閉まっとるやないかい!!!!
1階、2階共に窓口が完全にクローズやないかい!!!!
確認するだに営業時間は13時〜16時半…
そんなこと全然知らんかった。
時はすでに17時前…ちーん。

ホテルのフロントのお姉さんに
明日の列車の発車時刻を聞いたときに
16時半に決定するよって聞いてたから
そこから切符が発売されると勝手に思ってた。

ひと気のない駅の中を絶望感いっぱいに彷徨っていたら
駅のスタッフと思しきおっちゃんを発見、
かくかくしかじか、切符を買えないのか尋ねると
明日の朝、出発30分前に並べば当日分が買えるとのこと。
しかし今日の販売分で余っている分だけになるから
確実に買えるかどうかは分からないっぽい。
電車の発車時刻は4時半、
だからチケットの発売は4時からだ。

ふむ。ならばもはや一択。
明日、超早起きしてゲットするのみ。

つづく

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