_trip 恒春/古城西・北・東門めぐり('16年4月台湾旅)

2016年4月21日(四)

バイクで墾丁ぐるんとまわる旅に出かける前に
実は恒春の東西南北にそれぞれある門を、
それらを繋ぐ城壁をたどりながら
ぐるんと歩く旅(すなわち散歩)もしていたのだった。

恒春は、恒春古城と呼ばれる城壁に囲まれた古い町。
気候は年中通して20度〜30度と温暖で
「恒に春」だから「恒春」というのよと
宿の李媽が教えてくれた。
地図を見た感じ、東西南北の門は歩いても回れそう。
調べたら、一周だいたい3キロぐらいとのこと。

恒春古城についてはこちらを。

国家二級古蹟に指定されている恒春古城は、台湾で最も保存状態の良い城門古蹟です。外敵の侵入を防ぐことが建造当初の目的で、清朝大臣沈葆禎の許可を受け、劉璈の風水でもってこの場所が選ばれ、1875年(清光緒元年)から5年の歳月をかけて竣工されました。今日まで130年余りの歴史があります。 恒春古城の城壁は全長約3,208m、厚さは約6.6m、東、西、南、北、4つの城門を併せ持っています。全ての城門の最上部に砲台が備え付けられ、城楼、城台、銃眼付き胸壁など、部分的にではありますが現存しており、外観は完璧であると言えます。城楼はすでに面影を残していませんが、登ってみれば当時の様子を偲ぶことができます。 
古城の東門は、恒春から満州へと向かう道路上にあり、城門の上に屋根が作られています。修復の際に、古城の原型を元に新しく城壁を作ったので、砲台や銃眼も見てとることができます。東門から、城壁があった当時の城門の様子を想像できることでしょう。 扉跡と城門上の低い壁のみを残す西門は、活気溢れる中山路にあり、四方が住宅に囲まれているため、意外と小さいという印象を受けるかもしれません。 
西門一帯は以前は商業区で、交通の要に位置しており、地元住民も他県からの来訪者も、必ずこの門を通過したものでした。現在は人口が更に密集し、商業も盛んになり、西門周辺はますます狭くなりました。 
南門はアーチ状の城門とレンガの城壁、反り上がった軒の城楼を有し、4つある城門のうちで最も保存状態が良いと言えますが、修復を何度も繰り返したため、本来の面影から最も遠い城門でもあります。墾丁方面から恒春鎮へは必ずこの南門を通るのですぐにわかります。現在は恒春鎮のロータリーの中心となっています。 
北門は恒春県城の正門でもありました。主幹道路上にあり、唯一城門の上へと登ることができます。登るには城門右側の坂道から登ります。北門には、清光緒2年から現存する恒春古城唯一の石碑があります。もともとあった軒付き単檐歇山式の城楼は、いまはもうありません。〜〜 
i屏東より

私が泊まっていた宿は南門からほど近いため
前夜のうちに見ていたから
その次にあるであろう西門に向かった。
西門は、映画《海角七號(海角七号/君想う、国境の南)》で、
ヒロインが乗っていたロケバスが「狭すぎて通れない」門として登場する。

西門へは宿から恒春老街を真っ直ぐ北に歩いて5分ぐらい。
急に開けたところに出たと思ったらそこが西門だった。
近くに大きな廟があって、廟と言えばの、大木の木陰に赤い椅子を広げて
楽しそうにおしゃべりに興じるおっちゃんおばちゃんの風景もあった。









西門。近づいてみると確かに低い。
車高の高い車は通れないね、確かに。
さらに、幅も結構狭い。





門の反対側に回ると、ああ、きっとここだ。
映画に出てくるところ。

しかし、保存状態がめちゃくちゃいいなあ。
130年前に作られたものがこれだけきれいに残っているのだものな。
もちろん、すべての城壁がこの状態で残っているわけではないけれど。



城壁の上は残っている部分だけ歩けるようになっている。
いい眺め、とまではいかないけど、
ちょびっとだけ高い目線で恒春老街を見られる。

次はこのまま北門、行ってみよう。

城壁がずっと続いているわけではないけれど
この延長線上に並行して伸びている道を進んでみる。
歩くこと10分ほど。北門、着いた。





門の周辺は西門も北門もちょっとした広場のようになっている。
西門からは老街が伸びていて廟もあったから人の往来があったけど
ここは、人の姿もまばらだった。

では次、東門。

北門から東門へと続く道は、さきほどまで来た道とは雰囲気が変わり
沿道に木が植えられていて、なぜかちょっと不穏感あり。
不穏っていうか、なんかちょっと怖いねんな、感覚として。
人家はあれども人にはほとんど出会わない。
さくさく歩いていると目の前に大きな犬小屋、
そこにまたそこそこでっかい犬が繋がれていて
こっちを睨んでいるのが見える。



いや、睨んでいるんじゃなくて見てるだけよね、
怖がったら逆にだめよね、だめよだめよと
なるべく平常心を保ちながら、笑顔さえ浮かべながら
犬の前を通り過ぎようとしたら思いっきり吠えられた。



だいぶん離れるまでずっと吠えられ続けた。
(吠えられながらも一応写真は撮る私。)
私、動物まともに飼ったことないから接し方が全然わからんのだ。
吠えられながらも「コワクナイヨ」というオーラは全力で出し続けた。
幸い飼い犬で小屋に繋がれていたので助かった。

…と思ったら。



おるやん! 犬! 繋がれてない犬!!!!!!

さっきの犬よりやや小さいとは言え、
繋がれてない犬はあかんやろ。
近づいてくるでもなく適度な距離感を保ったまま
じっと私のことを見ている。
私も立ち止まってじっと見ている。

台湾の田舎町にいる繋がれていない犬の凶暴度が全く計り知れない。
大丈夫なのかもしれないし、大丈夫じゃないのかもしれない。
でも噛まれたらシャレにならない。
だめだ、ここは進められない。
ここは迂回するしかない。

幸い右に迂回できる道があるので方向転換。
したら。

]

おるやん!!!!! ここにも繋がれてない犬おるやん!!!!!!!!!!
(写真では見づらいけど)バイクの前におるやん!!!!!!

こいつも私の方見てるやん。
適度な距離感保ってじっと見てるやん。
私もじっと見てるやん。
飽きてどっか行ってくれんかなと思って見続けたけど
全然その気配ないやん。



うーわ、どうしよう。
助けてくれそうな人も通らない。
来た道を戻ったら
さっきの犬にまた吠えられる、それも怖い。
後戻りしたのはいいけど目の前にいる2頭の犬が両方追っかけくる
というパターンがあったら一番怖い。

平常心を保っているように見せかけて、頭の中はパニック。
どうしよどうしよどうしよどうしよ。

と、考えながら、ふと元々進もうとしていた道の方をみると
あれれ犬の姿がもうなくなっていた。

右の道にはまだ繋がれていない犬がいる。
後ろの道には繋がれてるけどめちゃ吠える犬がいる。
目の前の道にはもう犬がいない。
もう前進一択。

進んでいるうちにまた出くわすかと思って
こわごわ進んだけど
この一本道のどこに消えたのか、
もうあいつに会うことはなかった。



街路樹の向こうには城壁が延々と続く。
ここらへんはまだきちんと残っているんだな。

10分もかからずにまた拓けた場所に出た。



ここは東西南北で一番しっかり整えられている。
(ちなみに南門は幹線道路の中に門だけが残っている状態。)
ここが古城の「観光スポット」的ポジションのようで
観光バスもたくさんとまっていて
学校の遠足で来ている子たちなのか
中学生ぐらいの子たちが団体で何組もいた。



この謎の建築物をバックに、クラス単位(たぶん)で
次々と集合写真を撮影していく様子をじっと見ていた。
これがとても面白い光景で、
カメラマンのおっちゃんの合図で
どんどんポーズをチェンジしていく。
ただのピースじゃなくてちょっとだけ変わった感じの。
(どんなのかは忘れたけど。)
ああこれが台湾の「ピース」的なやつなんかなと思った。
しかもクラスごとにポーズが違う。
1クラス3ポーズぐらいとるのだけど
クラスごとにポーズの内容が違う。面白い。めっちゃ面白い。
動画撮っときたかったといまだ激しく後悔しているほど。
こういう日常的なシーンにも文化の違いが垣間見えて面白い。

ちなみにこの背後にある建物、あとから調べたら
「恒春豎孤棚(シューグーポン)」という祭りに使われるものだった。

100年以上もの歴史を誇る恒春豎孤棚(シューグーポン)の祭りイベントは、毎年旧暦7月15日の中元節の夜に開催されます。競技会場には、表面に牛の脂を塗った高さ約3.6丈(約11m)の原木が何本も立っており、その上方に「孤棚」が取り付けられます。参加チームは、自分たちで自由に結成できます。そして孤棚上にある錦旗を一早く奪ったチームが優勝です。人々を飢餓から救うために考え出されたというこのイベントには、先人の思いやりが伝わってきます。以前は、4本の原木を立てて行われていました。これは、恒春地区の4つの古城を表していましたが、参加チームが増えて激戦が展開されるようになったことと、将来的にイベントの拡大が見込まれるなどの理由により、4本の原木は、現在36本まで増加されました。上に昇って旗を取るには、相当の体力とテクニックとチームワークが必要です。このほか、搶孤(チャングー)、芸陣カーニバル、バンド音楽コンテストも開催され、周辺地域の文化や特産、面白いおもちゃや各地美食など、各種イベントが目白押しです。どうぞお見逃しなく! 
臺灣觀光年曆より

なるほど!!
だから見にくる人も結構多いのだね。





東門は道路的役割はなく
完全に「観光地」としてそこにある。

東西南北、それぞれ趣が全く異なるのだね。面白い。



東門から再び南門へと回って宿に帰り着いた。


(写真は前夜に撮影したもの)

早起きすると、
時間がゆっくりな感じで得した気がしていいね。
これがなぜ日本ではできんのか。私よ。

つづく

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