_trip Tai chi FREE CLASS('15年1月上海旅)

1月17号(六)

宿のチェックイン時に、カウンターの近くの看板に
「FREE」「太极」の文字をめざとく発見したわし、
しかも開催日は翌日の午前中。カウンターのスタッフに
「これは私も参加できる?」と聞いたらいけるとの返事。
太极とはすなわち太極拳のこと。
もうずっとずっとずーーーーっと興味はあれども
チャレンジする機会がなくここまで来ていたゆえ、
これは絶好のチャンス。ちょうどこの時間は
特別な予定がなかったのでみぬえにお願いして
一緒に参加することにした。



朝食から戻って宿の敷地内をぐるぐる探したけど
太極拳をやっているらしき人々の姿がない。
チェックインカウンターで場所を聞いたら
カフェでやってるよとのことだったので行ったら
「ここですよ」と引きずり込まれたのは
なぜか語学レッスンだった。



すでに始まっていた語学レッスン、
なぜ太極拳じゃないのか理由はわからないけど
とりあえず流されるがままに途中参加することになった。
太極拳を受けるにはまず数字の読み方ぐらい
中国語で分かるようになりましょうと、そういうことなんかな。

しかし、わしの中国語力は初歩レベルとは言え、
数字ぐらいは言えまっせということで
先生サイドに回って偉そうにヒントを出す係に。
みぬえには、まさにちょうど、この旅の出発時から
数字ぐらいは言えるようにと繰り返し教えていたところだったので
「これはめちゃいい復習になるやん」と
先に参加していたオーストラリア人パメラちゃんと一緒にお勉強。



1〜10までの読み方を覚えたら
次は10の位、100の位、1000の位と覚えて
「いくらですか?」「50元です」みたいな
簡単なやりとりまで。これぐらいなら余裕のよっちゃん。



「这是什么?」「香蕉」
…はいいんやけどこれと太極拳とどういう関係が?
いいやいいや、きっと太極拳と語学レッスンが
セットになってるってことなんよね。
パメラとみぬえが代わりばんこに互いに
「これいくら?」「○○元です」を繰り返す。
さすがみぬえは英語ぺらぺらのバイリンガルゆえ
耳がいいのか語学センスがあるのか
たどたどしいながらも会話が成り立っていた。
日本にいるときも分かる分からない関係なく
中国語で話しかけたりしてたので
「有没有(ある?ない?)」「要不要(いる?いらない?)」
ぐらいは聞き取れるようになっていたし。

30分ぐらい経ったところで
「さあ次は太極拳ですよ」と。
ひゃほう、待ってました!!!

気持ちを盛り上げるために衣装もあるからね、と
白いサテンのカンフー服を一人ずつ貸してくれた。

刘老师に従えられて階下の中庭へ。



基本姿勢の马步は以前少林寺レッスンを受けたときに
教えてもらったから知ってるけど
1つ1つの細かい動き方の指導はなく
先生の動きを見ながらひたすらマネして動く。
反対側を向いたりすると
先生の動きが見えなくなるから必死。無言のスパルタ。
動きはゆっくりなのだけど体勢はずっと中腰だから
普段使わない筋肉も使う。それが結構心地良い。



先生が1人だということに限界があったのか
途中から王老师も合流。

狭い中庭でぎっちぎちになりながら
無言で太極拳をする外国人3人と、
そんなのお構いなしに間を通り抜けていく外国人。
だって明らかに導線の邪魔。ちょっとしたカオス。

ひたすら同じ一連の動きを繰り返して
もうちょっとちゃんとやりたいなと思うぐらいのところで終了。
はー、思っていたとおり、太極拳、楽しかった。
朝からほど良い運動になった。

わいわい言いながら着替えのために再びカフェの2階へ。
したらば先ほど語学レッスンを受けたテーブルに
見覚えのある書道のセットが…。えっとこれは…?



全然分かってなかったのだけど
このFREE CLASSは語学レッスンと太極拳レッスンと
書道レッスンの3つがセットになっていたのだ。
看板にしっかり「书法 calligraphy」と書かれていたのに
ぜっっっっっっっっんぜん見えてなかった。



懐かしい、ハネ、トメ、ハライ、などなど
習字の基礎の基礎を練習するためのシートが。
水に浸した筆で書くと濡れた部分が黒く出る。
まずは筆の持ち方から。
わしも中学校以来の書道、筆の持ち方も忘れてる。



この方、上海で習字を教えていて
えらい賞もいくつか獲得している
(上海で2位だか中国で2位だかそんな感じ)
偉い先生であるとのこと。
しかしマジで手加減というものを知らない。
明らかに中国語が分からない女子を相手に
中国語でまくし立てる。
「そうじゃなくて、こうだよ、こう!!!!」
みたいなことを言うてるのは分かるけど
わしも具体的に何を言うてるのかまでは聞き取れない。

ただ、わしは日本育ちの日本人ゆえに
習字の基礎ぐらいはできる。
しかしみぬえは中3までイギリス育ちゆえ
書道の授業を受けたこともない、
ゆえに基礎がなさすぎて先生の徹底指導が。



いまだかつてみぬえのあんなおびえた顔を
見たことないってぐらいおびえながら
必死で「福」という字を書き続ける。
その姿がわし的には逆に面白くてならない。
それでも先生は手を緩めることなく
熱血指導、容赦ない檄が飛ぶ。
完全におちこぼれ状態のみぬえ。



先生の攻撃ターゲットから外れたわしは
鼻歌まじりで楽しくお習字。
わしが何度目かに書いた「福」の字を見た先生が
「你写的很好。不错。你有感觉!
(君は上手だ。君はセンスがあるよ)」と絶賛。
「みぬえー!! センスあるって言われたー!!」
どっちかというと学生時代から
習字は苦手だったゆえ、素直に嬉しい。

それに続けて先生はみぬえに向かって
「但是你没有」。

「私、センスないって言われた」…。

基本的に中国語ができないみぬえなのに
よりによって今回は聞き取れてしまった、
「没有(メイヨウ)」という言葉を。

はー、おもろい。
みぬえが「没有」だけ聞き取れたのがおもろい。
初心者のド素人相手に「センスない」て言い放つ
スパルタな先生もある意味おもろい。

「これいつまでやるん…」と泣きそうなみぬえ。
それから3分ぐらいで
先生が自筆の「福」の字をプレゼントしてくれるとのことで
それの出来上がりを見守る。
署名のはんこが何種類もあって、
一つ一つに意味があって、それが自分の名前とか
住んでる町の名前とか通り名とかがいじってあるんやって。
なんかそういうのもおもしろいな。チャイニーズウィット?



先生の弟子のかわいい女の子が英語が分かるので
彼女がそばにいるときは
先生の超高速中国語をやさしく通訳してくれる。



出来上がり。春联として家に飾りなさいねと。
玄関の外に貼るときは上下逆さまに、
内側に貼るときは正体でとのこと。

なんかてんやわんやの2時間。
最後までよく分からんまま終わったけど
期せずして3種類の中国文化を一気に体験できて
これが全部無料なのだもの、価値ありってなもん。

帰り際、先生にいたく気に入られたわしは
wechatのIDを聞かれたので教えた。
私は日本に住んでいるから
展覧会のお知らせとかもらっても行けないと思うけど
と弟子の女の子経由で伝えてもらいながら。
みぬえのも聞かれたが「彼女はIDを持っていない」と
嘘をついて免れた。もうこれ以上、
先生と関わるとみぬえがかわいそう(笑)。

帰国後もたまに先生から
「おはよう」というメッセージが届きます。彼氏か!
おはようメッセージはいらん、おはようは(笑)!!!!

つづく

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