_trip 台北五人行 日星鋳字行の巻('15年5月台湾旅)

5月16號(六)

今日は朝から5人ベースで動いているけれども
実は宿も日程も異なる3チームが合成したものであり
解体すれば、きよん・Lチーム、わし、
そしてみぬえ・あまぬチームに分かれる。
もともとはきよんとLとで台湾に行こうと始まった計画に
みぬえとあまぬさんが「もちろん一緒に行くよね」と
乗っかってきたということもあり、
大先輩の2人相手に性格劣悪なわしは
「わがまま言わないなら付いてきてもいい」
「わがまま言うたらいつだって巻いてやる」
「いつだって台北のどこかに捨てる」
と何様やねん的に酷いことを吐きまくっていた。
(いや実際はデキる二人だから巻かれたところで
例え異国であろうと絶対路頭に迷わないと思う。)

そんな彼女たちが唯一どうしても行きたいと主張したのが
ここ、日星鋳字行。日本でもそうであるように台湾でも
ここ数年、活版印刷の良さが見直されているが
日星鋳字行は活版印刷に使う活字が買える活字屋さん。
日本では刷れるところはあっても活字が買えるのは知らない。
ゆえにわしもずっと気になっていた場所ではあった。

もちろん活版印刷用の活字、鉛でできているので
ゴム判子みたいにスタンプ台で押すだけでは
きれいに印字できない。
手で押す圧ぐらいでは活版独特のへこみも出せない。
(カナヅチを使えばいけそうね。)
それでも工房に並ぶ馬棚から好きな書体や文字を選び、
自分だけの活字セットが作れるとあって
店には“文青(ウェンチン=いわゆる文系男子/女子)”と
思しき男女(否、女子率かなり高め)が
ひしめき合っていた。日本人の姿もちらほら。





偶然前日すでにここを訪れていたきよんとLは
近くのカフェでコーヒータイムを楽しむと一時離脱。
わしも活字を買うつもりはなかったので
行かないと言うていたのだけれども
通訳要員として付き合う運びとなった。
…って…なんてハードル高いこと頼ってくるねん。
わしの中国語レベルしらんやろ。全然話されへんねんで。

ある規則性をもって並んでいるとは言え、
素人がここからほしい活字を見つけ出すのは至難の業。
時間があればその過程を楽しむも良しだけれども
少なくとも今日はそこまで時間がない。

どんな文字をどんなサイズでほしいか
紙に書いて渡せばその通りに組んでくれるとのこと。
特殊な用語が多すぎてわしの通訳なんぞほぼ機能せず
ポンコツでしかなく、結局は身振り手振りで伝えた。
あーん、もう己のボキャ貧がもどかしすぎる。






文字だけでなくマークもあるよ。



鉛製なので素手で触りまくるのは良くないよ。

あまぬさんもみぬえも、そしてわしも
台湾で使われている繁体字と同じ文字のため
名前だけだと台湾で作った感が全然ない。
そこであまぬさんは名刺に押せるようにと
職業(中国語で)と梅(台湾の国花)のマーク、
そしてフルネームの名前を組んでもらい、
みぬえはなぜか「新年快樂」と年賀状用に。
なぜ年賀状用にしたのかはいまだもって不明。

これで確か100元ぐらいだったと思う。
これが400円と思うとめっちゃくちゃ安い。

つづく

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